こんにちは、iru yogaの柏木文です。
HSPは、外部からの刺激を過剰に吸収したり、深く考えを巡らせる特徴があることから、ストレスを感じやすく、それによって心身が疲労したり、不安やうつを経験しやすい傾向があります。
HSP気質である私も時折、仕事にまったく取り組めなくなることがあります。原因はあまりはっきりしていなくて、思えば、季節の変わり目だったり、天気の変化だったり、新しく出会った人や出来事からの刺激を過剰に受けすぎてしまったりしたことで、調子が狂ってしまったような感じと言えばよいでしょうか。To Doリストや必要な書類を開くことはできても、そこから先に進められないのです。
生産的なことするためのエネルギーを引き出せない、モチベーションが持てない、気持ちが落ち込んだところから立ち直れない、という自分の状態に気づくと、ちょっとした自己嫌悪に陥りますが、ここは自分のレジリエンス(回復力)を信頼するしかありません。
レジリエンス(回復力)とは、困難やストレス源になどに直面した時、その状況に適応する能力やプロセスのことで、精神的な自己治癒力とも呼ばれます。
レジリエンスは誰もが学び、習得できるものとされており、みなさんも人生経験の中ですでに身につけているものがあると思います。自分の親しんでいる方法に加えて、他の人が実践している方法を知ることで、新たに取り入れられる行動や考え方があるかもしれません。
ということで、今回は私が実践しているレジリエンスの高め方を紹介します。
レジリエンスの高め方
自分のニーズを最優先して、セルフケアする
「何もできない」と感じる時は、自分のニーズを最優先にしたセルフケアを行います。
何もできないといいつつも、セルフケアはできるというのは、それが自分の今のニーズに合っているからです。
何かをするためのエネルギーがなかったり、不足している状態なので、エネルギーを補充することが一番のセルフケアです。休息が必要なのか、刺激が必要なのか、その時の自分のニーズを見極めて選択することが重要です。
その上で、自分の体や心が「リラックス、幸せ、満たされる」と感じることをする許可を出します。つまり、「リラックス、幸せ、満たされる」ことを積極的に選択して、自分の中にあるポジティブなエネルギーとつながるようにするのです。自分のニーズに対して主体的に行動している、という認識は自己肯定感にもつながります。
私がよく行うセルフケアはこんな感じ。
十分な睡眠をとる
目覚まし時計はかけず、体が起きたいという時間まで十分に睡眠をとります。
積極的に休息する
昼寝をしたり、リストラティブヨガやヨガニドラーをするなど、意識的に休息する時間をつくります。
体が満足するだけの運動
体が満足する運動量は人それぞれ。自分に合った運動を選びます。私が好きなのはウォーキングで、好きな音楽を聴いたり、川沿いの木々や草花を愛でながら、30分から1時間くらい歩きます。
意識的に呼吸する
無意識にしている呼吸は意外と浅くなりがちなので、体が緊張しない範囲で深い呼吸をしてみます。自然とマインドフルネスの状態に入りやすくなります。続けて瞑想するのもおすすめ。
1日の最後に振り返る
その日を振り返って、よかったこと・できたことをいくつか心に浮かべます。その時に体に生じる感覚にも注意を向けて、自分自身に感謝します。
達成可能な、小さい目標をつくる
私が「何もできない」と感じる時は、やることを小さなステップに分解することすら難しく感じます。
何か抵抗しているものがあるのかもしれないので、それについて向き合うのも一つかもしれませんが、そんなエネルギーすらないこともあります。
ただ、どんなに小さいことであったとしても、成果を手にすることは心の栄養になります。「自分のニーズを最優先したセルフケアを一つする」という目標でもよいので、達成可能な小さい目標を掲げ、定期的に実行することで、自分の中に「できる」という体験を積み重ねていきます。
私は、洗面所の鏡を拭いてきれいにする、というような小さな目標を選びます。自分の行動を生産性という評価軸で測りがちですが、暮らしを整えることも価値ある大切な実践です。
状況を受け入れる
自分の気分が落ち込んだり、停滞しているのを感じると、自分だけ取り残されるような不安や、このままでいいのかという恐れがやってきます。
前に進まなくてはともがきたくなる気持ちもわかりますが、エネルギーを消耗するだけで、さらに沈み込んでしまうこともあります。
そんな時は、あれこれ考え、悩むことを手放し、今の状況や不安な気持ちを受け入れる練習をします。イメージとしては、頭の中をぽかーんとさせ、力を抜いて水に浮かんでいる感じです。そして、呼吸しているだけで十分だと、自分に伝えます。この状況を肯定するのは難しいと感じるかもしれませんが、言葉でしっかりと伝えることが大切です。私は、体がそのメッセージをどう受け取るか、そのまま体に留まって感じることが癒しにつながったと実感しています。
人とつながる
できない自分を開示するのは、簡単なことではありません。しかし、自己治癒力を高めるのに人とのつながりは大きなサポートになります。
例えば、同居している・していないに限らず、信頼できる人がいれば、自分の状態やニーズについて話すことができるかもしれません。聞いてもらうことが安心感をもたらすことがあります。
人に話すのが難しいと感じるのであれば、近しい人にちょっとしたケアのお裾分けするのが効果的なことがあります。例えば、誰かにお茶を入れてあげるといった些細なことで十分です。自分だけでなく、他者をケアするという体験を通して、人とのつながりや自己肯定感をもてるきかっけにすることができます。
一方、日常的に誰かをケアすることが多い場合は、試しに自分のちょっとしたニーズを伝えて、協力してほしいと頼んでみるのも一つの方法です。
最後に、自分のレジリエンスを高めて、回復できるのが一番ですが、必要があれば専門家にサポートしてもらう選択肢もあるとよいかもしれません。
参考文献
https://www.apa.org/topics/resilience/building-your-resilience